まともなオフィスチェアの探し方
まず大前提だが、「コスパの良い椅子」なんてのは存在しないと考えて良い。
もちろんブランド料デザイン料は存在するが、機能性の比重が高いオフィスチェアにおいて品質は価格とほぼ正比例にあるといっていい。特に高いオフィスチェアというのは耐久性が非常に高い。ソファもそうだが、良い椅子というものは「新品の時の座り心地の持続性」が全く違う。ハーマンミラーの製品がどれも10年以上の保証期間を持っているのは伊達ではないのだ。
ただし各人の体型や姿勢によって最適なものは変わってくる。そういう意味で「こっちのほうが値段が安いけど座り心地が良い」ということはありうる。それを指してコスパが良いということはできるかもしれない。しかしやはり定価5万円の椅子は定価10数万円の椅子に勝つことはできないのだ。
それらを念頭において、最適なオフィスチェアの探し方は
予算マックスの価格帯の有名メーカーの製品を選ぶ
全部試座する
オプションを付け外しする
という順番になる。
また最低限「オフィスチェア」と呼んでいいのは販売価格5万円台のものからであることに注意してほしい。
もし5万円を出せない場合は中古で探すことになる。
前述したように、高級オフィスチェアは非常に耐久性に優れるため、基本的に中古でも性能に問題はない。ブランドにもよるが定価10万円超えのものが3万で買えたりするのだ。
ショップとしてはオフィスバスターなどが有名だろうか。店舗まで出向けば試座もさせてくれたりする。筆者もここで買ったことがある。
ちなみにこの時期の中古オフィス用品販売店には、年度を越せなかった会社の放出品などがあるために掘り出し物がおおい。
オフィスチェアの最低ラインについて
プログラマーといえば椅子にこだわりのある人間が多い。特にアラサーを超えたあたりから「自分の身体にあった椅子」について一家言を持ち始める(僕のことです)。
さて、先ほども延べたが、「オフィスチェア」と呼んで良いのは最低でも販売価格で5〜7万クラスのものからになる(個人の意見です)。
それより安いもの*1になると
そもそも人間工学してない
一瞬「座り心地いいじゃんコスパ最高!」と感じるが、半年も経たずに座面がヘタりはじめる(安いソファでよくある現象)
半年も使うと姿勢を変えるたびに怪音波を出すようになる(オカムラとかの高いやつもまれによく出すけど……)
粗悪品の爆発リスク
など、まさしく安物買いの銭失いとしかいいようがない品質が基準になる。
正直「高級パイプ椅子」程度の座り心地しかないのでバランスボールを買ったほうがなんぼかマシ*2で、怪音波椅子に至っては周りの人間の生産性まで奪ってしまう。
なので新品で買うなら最低でも5万円程度(+送料など)は出すべきだ。
そして10万円以内に収めたいならば国内4大メーカー(+ 場合によってはエルゴヒューマンもあり……かも?)から買うべき。国内4大メーカーとは岡村製作所、コクヨ、イトーキ、内田洋行になる*3。
ちなみに20万円以上だせるぜ!!! っていう人でも、典型的日本人の体型であればやっぱり国内メーカーをおすすめする。特に小柄な人は、買おうとしている椅子がどういう体格の人間を想定しているのかをよく調べた方がよい。
Hermanmillerなんかは身長別にいくつかモデルを出しているくらいだ。試座せずにブランド優先で身体に合わないアーロンチェアを買ってしまい、椅子の上に胡座をかいて作業している人の話なんかをたまにきくが壮大な金の無駄である。
値段を地味に左右するオフィスチェアのオプションパーツについて
オフィスチェアには様々なオプションパーツをつけることができ、地味に値段を左右してくる。オプションを削ぎ落としたものと、フルカスタムで数万円くらい値段が変わることもある。中古品を買う際の目利きにも関わる項目なので軽く紹介する。
座面の材質
メッシュ
夏場の蒸れを軽減してくれるが、破れヘタれリスクや、最悪体型が合わないとフレームが身体に当たって痛いなどの事件を引き起こす可能性もある。
革
んああぁ、仰らないで。シートがビニール。でもレザーなんて見かけだけで、夏は暑いし、よく滑るわ、すぐひび割れるわ、ロクなことはない。
デスクワーク用途では完全なるゴミなので避けましょう。
肘掛け
地味ながら実は非常に重要なパーツで、上手く使うと作業中の疲労軽減効果がある。というか個人的に最も重視しているオプション。高級椅子を使いながら肘掛けを有効活用している人が少ないのは実にもったいない。
Ergodoxのような分離式キーボードを使っている場合はもっとも恩恵が高いので皆さんぜひしっかり調整しましょう。
しかし固定式や高さしか調整できないものはあまり使い勝手がよくないので、アジャスタブルなどと書かれている方を選ぶべきだが……可動域が広いものは1万円強してしまうのが悩みどころ。コンテッサやリープチェアなどは「4Dアジャストメント」だかなんとかいってかなり調整できるオプションがあるのだが、これが本当に素晴らしい。ちなみに肘掛けに関しては新品でもカタログの説明が雑な物が多いくらいなので、中古のものを買う場合はしっかり店員に問い合わせてから決めるべきだ。
ハンガー
スーツ着ないし……。でも地味に便利だし安いからつけておくと幸せになれる。
ハイバック、ローバック
いわゆる背中面の高さ。
ローバックにすることで多少安くなる。前傾体勢が好きなど、リクライニングへのこだわりがないならローバックにして値段を下げるのもあり。ヘッドレスト
ストレートネックの予防、リクライニング体勢時の昼寝ビリティの向上などの効果がある。作業に集中しているときは頭が浮きがちなのであまり重要視されないが、リクライニング体勢が好きなら一考の価値あり。
まとめ
オフィスチェアは値段 = 品質
- ただし体型も体質も違う他人のレビューはあてにならないので試座はほぼ必須
新品買うなら最低でも5万円からが人権
5万円出せないなら中古で2〜3万円
2万も出せないならバランスボール買え。もしくはスタンディングデスク買え
最低金額ラインで探すなら国内4大メーカーから選ぶべし
オプションパーツで地味に値段が変わるので気をつける
- 中古で買うときはブランドだけじゃなくてどのオプションがついているのかも一緒に調べると目利き感でてくる
スタンディングデスクに興味がある……でも日本で買うとクッソ高いよ……って人は以下の記事も参考になるかも。
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