タオルケット体操

サツバツいんたーねっとでゲームとかガジェットのレビューとかをします

雑な仕事のほうが早くプロジェクトが完成するという考え方は根本からして完全に間違っている

今でこそ「技術的負債」みたいなワードがプログラマーの共通認識として取り入れられているので、技術者同士であれば話が通りやすいんだけども、それでもいざ負債の返済をやろうという段になると「そんな暇はない」というような返事が返ってくることが多い。そもそもそういう話が通らない人もいて、そういう人は「いいからチャッチャと次の機能を書いて終わらせろよ」みたいな空気になりがちなようにおもう。

なぜ根本から間違っているのか

そもそも雑な仕事だと中規模程度のコードベースでも崩壊しかねない。雑がすぎるとそもそもプロジェクトは完成しないのだ。現実にヘーシャも、進行の雑がすぎた結果として進捗が終わり、生贄に捧げられた人も精神が終わり、関わる人はみな会社をやめてプロジェクトは永遠に宙ぶらりんですよみたいなものがゴロゴロ存在している。

また、丁寧であることが質に直結するというのも常にtrueではない。
当たり前だが質の高いものは、良いコンセプトがあり、腕の良いプログラマーがいて、その人が裁量を存分にふるえる状況と余裕(時間含む)があって完成する。どれかが欠けても無理ではないが、全部が欠けていてはまず不可能だろう。
また、完成しないものは質もクソもない。無だ。リリース時期をおさえなければいけないようなプロジェクトで、そのポイントに間に合わないようなものもビジネス的にいえば無だろう。

コードの品質と完成までの速度は相反する概念ではない。それらはサービスの質を支える要素で、お互いが混ざり合っている。
よく作られたコードは修正や機能の追加がしやすい。これはユーザビリティそのものに関わる問題だし、クソコードと比べると開発速度も早い
提供の速度も重要で、競合のいないスペースにねじ込むというビジネス上の問題もあるが、例えば今から数年かけて最高のJavaScriptコードを書いたところで、数年後にはNodeのバージョンは10くらいあがり、ECMAScriptの仕様も膨れ上がっていることになるだろう。今現在の最高は数年後の最高ではない。それなりの開発速度でリリースポイントを作り、進行方向を調整していくことはコードの質を保つことと不可分だ。

続きを読む

ドラクエビルダーズを印象だけでマイクラのパクリとか言ってプレイしないのは損失だぞという感想

いやまぁパクりといえばパクりなんだけど、じゃあローグライクは全部ローグのパクりなの? ハクスラRPGは全部ウィザードリィのパクリ? 敵を踏んで倒せる横スクロールはマリオのパクリなの? っていうレベルの話でして、マインクラフトを一つのジャンルとして捉えたとき、ドラクエビルダーズは「キャラクターや世界観を変えただけのマイクラ」ではないって言いたいっていうこと。
いいから叩く奴も擁護する奴もプレイしてからやれ。

マイクラとの比較

正直なところ、マイクラとビルダーズを比較しようとしてもうまくいかない。だって同じシステムを採用してるだけの別ゲーだから。RPGツクールでアクションゲーム作ったようなもん。

続きを読む

生産性を測るための尺度が労働時間くらいしかない企業がリモートワークを導入するのってかなり無理っぽいのでは

タイトル出落ち感がある。つらつらと書く。

ちょっと前まで、通勤はクソ、リモートワークは最高。とりあえず導入しちゃえばみんな幸せになれる! っていう脳みそシンプルな発想でものを考えてた。
でも、実際にちょっとだけ体験したり、人の話をきいたり、妄想したりしてるうちに、なかなか物事そう簡単にはいかねぇよなぁっていう考えに落ち着いてしまったのでまとめておきたい。

ただし、先に結論を書いてしまうとそれでも東京の人間はもっとリモートワークすべきだよ。正直、残業込みで10時間働くよりも通勤電車でスシめいて押し合うほうが100倍疲れるもの(残業が疲れないとは言っていない)。

“この非人間的な場所は人間を怪物にする”
― Stephen King, The Shining

ちょっと前にシャイニングの原作をちゃんと読んだんだけど、オーバールックホテルよりも通勤電車のほうが異常だってのははっきり言えるね。みんな目が死んでる。
たぶんテロリストもドン引きしてるとおもう。

なお、本エントリの話題はプログラマーやデザイナーなんかのIT系クリエイティブに関するものであって、その他の業務については知らない。

続きを読む

迷いまくった末に4Kテレビを購入したので選び方のポイントをまとめておく

スポンサーリンク

HDMIの基本仕様とかの以下の日記も合わせてみてほしい。

hachibeechan.hateblo.jp

とにかくややこしかったが、2015年以降に日本製の4Kテレビは基本的にHDMI 2.0 Level A(フルスペックなほう。多分HDMI2.0aって表記されることがおおいかも)とHDCP2.2の両方に対応していると考えて構わないとおもう(でもちゃんとカタログは読もう)。

なお、前置きをさせてもらうと、この記事では具体的に「どのメーカーがおすすめ!」というようなことは書かない。映像には様々な種類があるし、メーカーにもそれぞれ得手不得手があるからだ。それを僕の好みで断定してもしょうがない*1
あくまで「テレビって情報が多すぎてどう選んだらいいかわからないけど、こういうポイントに絞って選ぶと幸せになりやすいですよ」というアドバイスだと思って欲しいし、当然僕の好みが大いに反映されているため、漏れはあるはずだ。

僕自身、クソほど迷って購入に踏み切ったわけで、この記事はその最中で調べたもののうち重要なものをピックアップしてまとめた、メモみたいなものになる。これが迷ってる人のなんかの助けになれば、調査にかけた時間も多少は報われてくれるだろうなという感じだ。

  • 2017年をむかえての補足、そして有機ELについて
  • そもそも買う価値はあるか
  • 4Kテレビそのものに対する懸念点
    • 4Kのコンテンツが足りない?
    • 8Kは? もうすぐなんじゃないの?
    • PCの作業用モニターとしても使いたいんだけど……
  • 予算感
  • 型落ち品を買うべきか否か
  • 重視すべきカタログのスペック
    • 最重視すべきもの
    • HDR対応
    • ゲーマーが重視すべきスペック
    • 倍速駆動について
    • Netflix対応などのアプリ的機能
    • 音質
    • 番外: Mastered in 4K
  • 店頭で見比べる時の注意点
    • 恣意的な並べ方、流している映像ソース
    • スタッフの所属について
    • でもあくまで参考にしかならないよ
  • まとめ
  • 追記:4Kに対応した映像配信機器について
  • 追記2:4K HDR対応版のPS4 Proをプレイするための4Kテレビ選びについて
  • 追記3:AppleTV 4Kについて

2017年をむかえての補足、そして有機ELについて

この記事を書いた2015年末と比べて4Kは世の中に格段に普及したといっていいだろう。UHDBDの普及については未だ疑問符がつくが、Xbox Oneなどの安い再生機が登場しているし、最近の映画は普通のブルーレイにUHDを同梱する力技でなんとか普及させようと努力している。
ゲームについても、そもそもPCゲームはかなり以前から4K出力が可能だったが、PS4ProやXbox One Xなどの登場によって安価なコンシューマー機でも4Kの体験が可能になりつつある。
もはや「4Kテレビを買ってもコンテンツがない」状況を心配する必要はなくなった。アップコンバートもそこそこ優秀だしね。

そして有機EL。これは僕の個人的見解だけど、新しい技術だということもあってまだいくつかの課題がある。
まずはコスト、そして消費電力、最後に表示遅延だ。

お金がふんだんに有り余っていて、最高の画質を求めていて、アクションゲームをやらない人であれば買いかもしれないが、ここはまだ様子見で値段の落ちていて技術的にも落ち着いている通常の液晶テレビを買って差額をオーディオにでも費やした方がよいのではないかなとおもう。2〜3年後にはまた状況は変わっているだろう。

そもそも買う価値はあるか

*1:広告費をもらうアフィブログじゃないんだからそんな押し付けをしても僕にはなんの利益もない

続きを読む