若者のキーボード離れ加速 レポート・卒論でフリック入力も│NEWSポストセブン
本当かどうかは知らんが、スマホを使ってフリック入力でレポートを書く学生が増えているらしい。
このニュースに関連して考えたことだが、殆ど全ての人はその対象物の使い勝手を評価する際に「自分が使い慣れている」ことと「それ自体が優れている」ことの区別をつけることが出来ない。
これは何もアホな学生だからどうこうという話ではなく、それなりのリテラシー(?)を備えたエンジニアでも普通に見られる。
わかりやすい例だと「Mac vs Windows」とか「Vim vs Emavs vs Sublime」のような、いわゆる宗教戦争があげられる。*1
この手の論争は、かならず何人も「俺はこいつを使い慣れているんだ」みたいな発言を繰り返す人間が沸くおかげで平行線のまま終わる。
他にも、WebサービスのUI変更については必ずこの手の論争がついてまわる。
「使いにくくなった!」という意見の殆どは、よくよくヒアリングしてみると「前と違う」と言っているだけだったりする。*2
この現象は、偏差値60近い大学に通う学生でも事情は変わらない。
とあるが、まぁそうだろう。
彼らにとって、「毎日使っているフリック入力」と「よくわからんキーボード入力」のどっちが優れているか、などという疑問への解答はあまりに自明すぎて、わざわざタッチタイピングを覚えようなどという気は起きないのであろう。『常識』を疑ってまで効率的にやろうとする人間は、一般的に変わり者とされる。
なお、キーボードであれば指を10本使えるが、フリック入力は1本しか使えない。
各種記号が最初から押下可能であるキーボードと、いちいちパネルを切り替えないといけないフリック入力。
Ctrlキーなどとの連携による各種ショートカット(検索、置換、etc)が使えるキーボードと、使えないフリック。
などなど……もはやいちいち比較するのも面倒なほどにはキーボードが優れている*3。入力方式とは別に、スマホの貧弱なインプットメソッド、テキストエディタ or ワードソフトでまともな長文を書こうというのは正気の沙汰ではない。特にiOSのテキスト入力まわりは絶望的なクソなので、あんなんで論文書くだとか想像するだけでも頭がファックされてしまいそうだ。
ていうか数式とか化学式の入力はどうすんだ。
人間である以上この手の過ちは必ず犯すわけだけども、なるべくなら既に知っているやり方に固執して効率を落とすような真似はしたくないなぁと感じるニュースでした。おしまい。