正しさカードゲームと化した現代コミュニケーション環境において、人はとにかくお行儀よく振る舞うことを求められます。
社会のお行儀、というのはおおむね「多数派である俺らを不愉快にさせるんじゃねえぞ」というプロトコールです。
みなさんの記憶にあるかどうかは定かではないですが、まずいラーメンを出すな理論はそれに対するカウンターです。
「現場の一体感」より、ちゃんと本質に向き合え。おれらは客にものを出す立場やぞ。
こういった強めの言語化をもってしても打ち勝つのが難しいのが現場の空気感ってやつです。
前向きであれ、否定的なことはいってはいけない(おお、みんな大好きブレスト!)
どっからどうみても失敗は必至、あるいは成功しても意味がない見当違いのプロジェクト。
そんなアホみたいな状況に冷や水を浴びせるのは大変な勇気が必要です。
「みんな成功させようと頑張ってるんだから!」
「後ろ向きなやつがいると成功するものもしないだろ」
どんなに良かれとおもっていても、一体感に酔った人たちに諫言は届きません。
確証バイアスってやつです。
会社員とは、結局のところ悲しいソルジャーです。
墓穴と知っていても、上司が命じてそこにサラリーが生じるなら掘るしかないのです。
